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だが安定しすぎる市場は本来の機能を失う恐れもある。

日銀が長期金利をゼロ%程度に誘導する今の金融政策を導入した2016年9月以降、長期金利はマイナス0.1~0.1%の範囲内で推移している。
だがマイナス圏だったのは16年11月まで。市場は日銀が再びマイナス圏への低下を容認するのか懐疑的だ。
ゼロの岩盤を巡る心理戦が始まっている。
結果として債券の値動きは限定的な範囲にとどまっている。
長期金利が直近でどれほど上下に動いたかを示すボラティリティーは足元で低くなっている。
直近23日間の値動きから算出する指数は、米国による4月のシリア攻撃などの影響が薄らいで急低下した。
商売にならない。
われわれのチームも規模を縮小されるかも。
債券ディーラーは 悲観的な見方に傾きがちだ。
だが長期金利ゼロ%の岩盤は本当にあるのか。
債券市場には異なる見方もある。
日銀の金融政策はあくまで長期金利をゼロ%程度に誘導するとしか表明しておらず、マイナス圏を否定していないためだ。
SMBC日興証券の森田長太郎氏は長期金利が下がりにくい要因として株高を挙げる。
日経平均株価が2万円を超えて上昇するなか、外国人は総資産に占める円建ての比率を一定に保とうと円売りに動いたようだ。
仮に円高がどんどん進んでいれば、市場では日銀の追加緩和まで視野に入れて金利低下を想定するが、外国人の動きが円高に歯止めをかけているため、そうはなっていないという解説だ。
森田氏は株価が反転すれば、今後3カ月や半年以内に長期金利が 再びマイナス圏に入ることもあり得ると分析する。
そのとき日銀はどう動くのか。
金融当局は市場の急変動を避けるよう動くもの。
だが安定しすぎる市場は本来の機能を失う恐れもある。
日銀のバランス感覚が問われる。